ショートストーリー【The end (of summer)】
台風が街を秋に変えて去った。
至るところに落ちているコンビニのビニール袋、折れた傘、そして夏のかけら。
平成最後の夏。
だなんて呟いてみても。
特に何があったわけでも、何もなかったわけでもなく。
ただただいつもと同じような夏が来て
そしてまた秋になる。
季節の変わり目はいつも滑らかで、
気がつけばそこにあるようなものだけど。
夏と秋の境目ってわりとハッキリしている。
暴力的に圧倒的に全てを巻き込んだ嵐は、この夏もまた、あの夏に変えてゆく。
バイバイ、また会おうね。
夏の似合う素敵な人。
夏みたいな、君。